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売れる本と売れない本

新刊書店には、「2:8の法則」というものがあります。
これは、新刊書店の売上を割合別に見た数値を指します。つまり、新刊書店の売り上げは、2割が売れ筋の本やベストセラーで、残りの8割がその他の本で構成されているということです。

 

実はこれは古本屋でも同様です。
古本屋でも買取強化商品などと謳い、売れ筋の商品を集めようと頑張っています。売れ筋商品は入荷すれば早く売れるのですが、実際に利益の8割を生み出すのは、その他の本なのです。

 

しかし、8割の本の内情を見ると、1年に1冊しか売れない本、100円にしても月に1冊も売れない本など、動きのない本ばかりです。
ただ、本の種類・数は莫大ですから、全体を見ると、このような一見動きのない本が売上の8割に達し、動きの良い売れ筋は2割にしかならないのです。

 

ただ、売れない8割の本を在庫しておくとお金がかかります。
これらは資産となりますから、年度末には税金がかかりますし、保管費用もかかります。
そのため、動きのない8割の本については、どうしても買取価格を安くせざるを得ないのです。

 

あなたの手元にある本は、あなたにとって面白かったり、必要な本だったかも知れません。しかし、今、日本で出版される本の多くは、1000~5000部程度しか流通しない「売れなかった」本なのです。

 

新刊販売時には、全国津々浦々の書店店頭にて陳列され、多くの人の目に触れたはずです。
ところが、それでもたった数千部の本が売れ残り、その一部の売れた本だけが古本屋へと回っていくのです。

 

こういった簡単に人気の差異が分からない本に対し、古本屋が買取価格をつけるとすると、その判断基準は「新しいか古いか」「綺麗か汚いか」程度しかなくなります。そのため、本サイトでもお話ししているように「新しい内に売る」ことと、「本を綺麗にしてから売る」ことが大切になるのです。